
8月になりました。毎日うだるような暑さが続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
去年までの私は日傘を頼りに何とか暑さを乗り越えてきましたが、今年はそれだけでは飽き足らず、新しくネッククーラー(首に着ける冷たい保冷剤のようなもの)と小型手持ち扇風機も導入しました!!
装備品を両手と首に纏ってもなお滝汗をかきながら歩いているので、周りから見ると「私、暑さ耐性0です!!」感丸出しではあるのですが、周りの目は気にせず健康第一ということで、今後も暑さ対策をストイックに探求して行こうと思います。
カウンセラーの選びについて考えてみる
前置きが長くなってきましたが、今日はカウンセラーやカウンセリングの選び方について書いてみようかと思います。
SNSの書き込みやクライエントさんから「カウンセラーの選び方に困っている」「過去のカウンセリングを受けていたけれど、相性が悪かった、上手く行かなかった」という声をよく耳にします。
確かに、特にカウンセリングを初めて受ける方の場合、事前の知識や経験が多くない状態で膨大な情報量の中から良さそうなカウンセラーを探す作業は、それだけで疲弊してしまいますよね。
過去の傷ついた経験をお持ちの方も、また同じことが起こるんじゃないか‥‥と警戒してしまうのも自然な気持ちかと思います。
さらに、カウンセリングを求めている時は、悩みや困りごとを抱えていて体調も万全ではないでしょうから、なかなか”良いかも!”とポジティブに気持ちが振れるカウンセラーやオフィスを見つけること自体が難しいのかもしれません。
何か嫌かも…そんなネガティブな気持ちから選んでみる
だからこそ私は、最初から“良いカウンセラー”を探そうとするのではなく、まずは「なんか嫌だな」という直感を頼りにしながら、選択肢を少しずつ絞っていく方法をおすすめしています。
いやいやネガティブ感情に決断を委ねるなんて、危ないんじゃないの~?!
という声が読んでくださっている方から聞こえてきそうですが、直感は意外と侮れないと私は思っています。
例えば、アントニオ・ダマシオという神経科学者は「ソマティックマーカー仮説」というものを発表しています。
これは、私たちの脳は過去の経験に基づいて快・不快の感覚を身体レベルで記憶しており、何かを選択する時に自分が過去に体験した似たような状況の感覚が引き起こされ感情呼び、自分に教えてくれるというものです。
なので、直感を元にした判断は単なる感情的な反応ではなく、過去の自分からの助言やサインともとれるのです。そのため、“なんか嫌だ”をうまく使うことで効率的に自分にとって良い意思決定をすることができる可能性があります。
それでは、実際にカウンセラーを探す際に確認しておくとよいポイントを、「出会う前」「出会ったとき」「出会ったあと」の3ステップに分けてご紹介します。
ステップ1:出会う前
・基本的な情報をみる
➤ 資格
「カウンセリング」という行為自体は特別な資格がなくても言ってしまえば誰にでもできてしまうものです。
ただ、より心の問題に詳しい専門的なカウンセリングを受けたいという場合は臨床心理士+公認心理師のダブルライセンスを持っているカウンセラーが確率で考えると安全かと思います(※資格の違いはこちらの記事も参考にどうぞ)。
もちろん資格を持っていないカウンセラーの中に優秀で活躍されている方もいらっしゃるので、資格を持っていないことが絶対に良くないということを言っているわけではありません。ただ、心理士+心理師の両方の資格を持っているということで、カウンセリングを行う上の倫理感や専門的な知識を学んでいること、現場での実習経験を行っていることが保証されます。
➤ 料金
カウンセリングは、継続して複数回受けることで効果が得られるというケースが多いです。
なので、毎週、2・3週に1回、月1回などある程度の頻度で複数回通っても生活に支障なく支払える料金かどうかを確認できると良いでしょう。
➤ カウンセリング形式か
オンラインか対面か、時間・曜日はいつやっているのかなど、どのような形式で行っているカウンセラーか見てみましょう。
対面の場合には、無理なくて定期的に通うことができる距離かを確認することも大切です。
➤ 学会や論文発表、トレーニングの経歴
入会している学会の記載があると、どのようなカウンセリングの方法に関心・興味のあるカウンセラーなのかということがわかります。
ただ、学会に入ること自体は、入会の条件を満たしており、入会費や年会費を支払うと入ることができるという形のものが多いです。
そのため、学会・論文の発表をしているかどうか、どのようなトレーニングを受けているのか(受けてきたのか)を確認することで、興味・関心をもとにどれくらい積極的・意欲的に研鑽や学びを積んでいるのかということが確認できます。
・カウンセラーの雰囲気をみる
➤ HPやカウンセラーの写真
HP全体の雰囲気や構成・文章の書き方、カウンセラーの写真やイラストにはそのカウンセラーや所属するオフィスの個性や性格が反映されやすいと思います。
優しそう、真面目そう、派手、地味、穏やかそう、厳しそう、知的、わかりにくい、わかりやすい等々・・・どのような感覚になるのか感じてみてください。
➤ SNSから感じる雰囲気
最近はホームページ以外にも、X(Twitter)やnoteなどSNSを行っているカウンセラーやオフィスも多いです。
SNSを見てみるとホームページよりもさらにカウンセラーがどのようなことを考えながら生活をしているのか、どんなことに興味があるのか、更新の頻度はどのくらいかなどよりカウンセラーのイメージや雰囲気が具体的につかみやすくなると思います。
ここでまで見てみて“なんか嫌だ”と感じなければそのカウンセラーのカウンセリングに問い合わせ・予約をしてみても良いかもしれません。
ステップ2:出会った時(初回のカウンセリング)
➤ イメージと実際に関わったときの雰囲気のギャップ
これは結構私の中で大事だと思っています。カウンセリングだけに限らずお店を選ぶときに写真やホームページと全然違うじゃん!と感じるとどこか騙された感じがして心を閉ざしてしまうのは私だけでしょうか。
実際のカウンセラーの技量とは必ずしもリンクしないところではあるかもしれませんが、あまりにもかけ離れていた場合にはそのようなギャップやズレを感じる場面がカウンセリングを継続している中でも出てくるかもしれません。
➤ カウンセラーの話し方
表情の変化や身振り手振り、声のトーンや声の速さ、会話のテンポなどが話をしていて違和感を抱かないかどうか感じてみましょう。
➤ 見立てや方向性の示し方
カウンセラーは、このクライエントさんはどんな人で今どのような状態にあってどのように関わりながらどんなカウンセリングをして行くのが良いだろうか…と常に頭の中で見立てと方針を組み立て、随時アップデートしながら毎回カウンセリングを進めます。
カウンセリングを行う上ではカウンセラーとクライエントが共通の目的意識や目標を持ち同じ方向を向きながら協力して進むことが非常に重要です。なので、しっかりと見立てやカウンセリングの方向性を共有してくれるか、示された時にはその見立てや方向性をどう感じるかチェックしてみましょう。
➤ 質問への姿勢
初回のカウンセリングではどこかのタイミングでカウンセラーに何か質問をしてみることがおすすめです。
ステップ1で基本情報を確認した際に記載が見当たらなかった内容や、見立てや方向性を伝えられなかった場合にはそれを聞いてみる、カウンセリング自体への質問など、気になる点はどんな些細なことでも良いかと思います。
もちろんカウンセラーにも答えられないことや初回だけではわからないこともありますが、質問を向けられた時に親身に対応してくれるか、嫌な顔をしないか、傷つける態度を取ってこないかなど、どんな姿勢で対応するのかを確認できると良いでしょう。
ステップ3:出会ったあと
ステップ2のあと一人になったときに、初回のカウンセリングでのカウンセラーを思い浮かべた時の感覚、話してみたあとのご自身の感覚はどうでしょうか。
ほっとする、信頼できそう、あたたかい、怖い、不安、わかってもらえる感じ、うまく伝わってないなどなどありのままに感じてみてください。これらのステップ2・3を経て、”なんか嫌だ”と強く感じなければ、そのカウンセラーとは何回かカウンセリングを重ねてみても良いかもしれません。
せっかくみなさんがお金と時間と労力を払ってカウンセリングを受けようとしているのならばできるだけ“なんか嫌だ”と感じるカウンセラーにあたりませんように・・・・と考えながら指を動かしているうちについつい熱くなってしまい、思いがけずなかなかの量になってしまいました(笑)(そして予想以上に時間も経過していました)。 少しでもみなさんのカウンセラー探しの参考になると嬉しいです。
最後に:せっかくなら、気持ちよく相談できる場所で
せっかくお金と時間と勇気を使ってカウンセリングを受けようとしているのならば、できるだけ「なんか嫌だな」と感じる人には当たりたくないですよね。
自分の感覚を信じながら、少しずつ「この人なら大丈夫かも」と思える人を見つけていく。そんなふうにカウンセラー選びをしても、きっと大丈夫です。みなさんが安心して話せる場所にたどりつけますように。