
またまた久しぶりのブログ更新となりました・・・。
新年度が始まってしばらく経ち、ゴールデンウィークを経て少しずつ日常のリズムに戻ってきた方も多いのではないでしょうか。
しかし、5月の後半から梅雨にかけては、なんとなく気分が沈みがちになりやすい季節です。
ふとした瞬間に「なんだか気分が重い」「頭の中でイヤなことがぐるぐるして眠れない」など、心の声に振り回されるような感覚になることはありませんか?
この記事では、そんなときの「心の声」との付き合い方について、心理カウンセラーの視点からわかりやすくお伝えします。
「聞く」と「聴く」は似ているようで違う
“きく”という言葉に漢字をあてると、「聞く」と「聴く」の二種類があります。これらは似たような意味を持ちますが、その違いを皆さんはご存じですか?
「聞く」は音を耳で感じ取ることです。自然に耳に入ってくる音や、特定の情報を受け取ることを指します。
一方、「聴く」は、その情報を理解しようとして注意深く耳を傾けることを意味します。
私たちの頭の中には、時に困難な考えが渦巻くことがあります。
特に、このブログにたどり着いて読んでくださっている皆さんは、おそらくカウンセリングや心に興味を持つ方々なのかな?と思いますので、
自分自身の内面に耳を傾けることを重視する傾向があるかもしれません。
心の声を聴くことは、自分の気持ちや問題に目を向け、気づきや発見、そして問題の解決を得るチャンスになるため、重要な作業です。
ただ、すべての声を聴くことは精神的にも肉体的にも疲れるものです。
だからこそ、心の声に対して、これらをうまく使い分けることが、考えすぎによる疲れや自己否定のループから自分を守るヒントになります。
どんな「心の声」を聴くべき?見極めのポイント
「聞く」ことと「聴く」こと、具体的に線引きができるものではありませんが、
参考として次のように取捨選択してみてはどうでしょうか。
意識して聴いてみる声
・最近の心や身体の不調・変化
・人間関係(家族、恋人、友人)で感じる違和感や葛藤
・人生の選択(進学・転職・結婚など)についての迷い
・達成したい目標に関する気持ちや不安
これらは、自分にとって大切なサインかもしれません。丁寧に耳を傾けることで、気づきや整理が進みます。
聴かないと問題が悪化してしまう、チャンスや改善・解決を逃してしまう可能性があることはじっくり聴いた方が良いでしょう。
聞き流してみる声
・他人の何気ない一言に傷ついた気持ち
・ずっと続いている自己否定の思考
・起きてもいない未来への不安
・周囲からの評価に過剰に反応する自分
こうした思考に深く入り込みすぎると、気持ちが沈み、自己嫌悪を強めてしまうこともあります。
聴くことで気持ちが落ち込んだり、モチベーションが下がってしまったり、自分のことが嫌いになるようなことは、聞き流してみるのも一つの手です。
心の声を「聞き流す」ための3つの方法
でも聞き流すってむずかしい!そう感じる方も多いかと思います。
そこで、おすすめの方法を3つご紹介します。ポイントは、頭の中の言葉と上手に距離を取ることです。
・思考に名前をつけてみる
自分の思考に名前をつけることで、その思考から距離を取ることができます。
例:「また‘自己否定’が来たな」「でたな、不安さん」
・思考をユーモラスに扱ってみる
自分の考えを面白おかしくユーモアで加工することで、その言葉から与えられるの重みや影響を軽減できます。
例:変な声で繰り返したり、歌にしてみたり、声のスピードを速くしたり遅くしてみる
・思考をイメージとして捉えてみる
頭の中の思考を、イメージの中を使って遠くに追いやってみましょう。そうすることで距離を取ることができます。
例:流れていく川の葉っぱや雲に言葉を乗せて流す、鍵のかかった開かない箱の中にしまう
一人でしんどいときは、信頼できる人に“聴いて”もらう
どうしても心の声をうまく扱えないときには、無理をせず、信頼できる人に話すことも大切です。
話を“聴いてもらう”ことで、「わかってもらえた」という安心感が得られることがあります。
一度はスッキリしたつもりでも、また同じことで悩んでしまう。
そうした“ぐるぐる思考”に長くとらわれてしまう場合は、心理カウンセリングの利用を検討してみてください。
カウンセラーとの対話を通じて、心の声を一緒に“聴いていく”ことで、悩みの根本が少しずつ整理されていきます。
おわりに
私たちの心の中にうかぶ思考や感情のすべてに真面目に向き合おうとすると、心がオーバーヒートしてしまいます。
大事なのは、「これはちゃんと聴こう」「これはちょっと聞き流そう」と、上手に選んでいくことが、
心を守るセルフケアの第一歩につながるでしょう。