カウンセリングを行う心理士は、それぞれ興味・関心持つアブローチや学派があり、それらをベースにカウンセリングを行っていることがほとんどです。
例えば、有名なものであれば、認知行動療法、家族療法、精神分析などが挙げられます。みなさんもどこかで耳にしたことがあるかもしれません。
カウンセリングルーム sato では、統合的心理療法 (以下、統合的アブローチ)を用いてオンラインカウンセリングを行っています。
統合的アプローチとは?
統合的アブローチとは、特定の学派にユーザーを適合するのではなく、ユーザーを中心に考えた上で有用である、役に立つと考えられる関わりや方法を提供するものです。
この発想の背景には、「人間は多様な存在で、その多様性に対応するためには、単一の思想や理論・技法では不十分である」という考え方があります。さらに、私達を取り巻く状況や生活は日々復雑化しています。複雑化した社会の中での多様性に応じたい、そんな姿勢が統合的アブローチにはあると感じています。
このように、統合的アプローチは、特定の学派には依拠しませんが、だけれども特定の学派を否定するものではもありません。様々な学派の理論や技法にオープンな態度で接しながら、丁寧に吟味・検討を重ねて目の前 のユーザーに少しでもより効果的なカウンセリングを提供するのが統合的アブローチであると言えるかと思います。
統合的アプローチのカウンセリングはなにをするの?
この統合的アプローチにはいくつかの種類があるのですが、主に当オフィスで用いているのは次のアプローチになるかと思います。
・共通因子アプローチ
ある特定の学派に依拠した時には、どうしても他の学派との違いを強調しがちになり、すべての学派に共通する点が見過ごされがちになることがあります。
共通因子アプローチでは学派の独自性よりも、カウンセリングを行う上でのユーザーの回復やサポートに効果的とされる要因を大切にしようというアプローチです。
具体的には、治療同盟 (カウンセリングをすすめて行くにあたり、ユーザーとカウンセラーの信 頼関係が持てること)、共感的な姿勢、ユーザーがセラピーに対して肯定的な期待を持てることなどがあります。
・技法折衷アプローチ
ユーザーが持っている問題や症状、パーソナリティ、態度、状態などをアセスメントしながら効果的と思われる技法は学派の垣根を越えて幅広く使って行こうというものです。
具体的には、ユーザーの認知・行動・感情・身体・関係性の中で、その時々で最も必要なものに
アブローチをして行こうとするものです。当オフィスでは、次のような手法を取り入れたカウンセリングを行っています。
来談者中心療法、認知行動療法、スキーマ療法、ホログラフィートーク、TFT(思考場療法)、フラッシュテクニック、ボディコネクトセラピー(BCT)、AEDP™(加速化体験力動療法)、SFA(ソリューション・フォーカスト・アプローチ)、コンパッションフォーカストセラピー など
中でも、これまでの臨床経験や学びから認知行動療法やトラウマケアに親しみを感じています。
統合的アプローチのイメージ
私は統合的なアブローチについて考えるときに浮かぶのが、組体操のピラミッドです。
各個人ユーザーが持つ問題や症状、性格傾向、身体状態、文化、経済・社会状況、セクシュアリティ、宗教観など背景・環境となる自分の土の上に、安全感の土台となる共通因子があり、そこにユーザーに合わせた技法やアプローチ、関わりがあってユーザーが安心して上に立てるようになる、そんなイメージです。
安全だと感じる状態で自分の問題や心の状況や周りの様子をみながら セラビストと一緒に調整・探索をして、自分の足で安心して土の上に立てた時にカウンセリングは一つの区切り、終結を迎えます。
おわりに
なんとなくイメージを掴んでいただけたでしょうか?
他の学派同様、統合的アプローチの実践も簡単なものではないかと思いますが、日々の学習と自己研鑽を積み上げながらユーザーに役立つカウンセリングを提供して行けたらと思っています。
参考
杉原保史・福島哲夫(編) (2021).心理療法統合ハンドブック.誠信書房.
福島哲夫・三瓶真理子・遊佐ちひろ(2024).心理療法統合の手引き―実践でのコツを掴む―.誠信書房.
日本心理療法統合学会HP(https://www.japanesesocietyforpsychotherapyintegration.com/)
