
「とにかく不安」「夜になるとモヤモヤする」「心がおちつかない…」
そんな気持ちからこの記事を読んでくださっている方が多いと思います。
毎日常にフラットで、何なら明るい気持ちでいたいものですが、日々の生活ではなかなかそうもいきませんよね。
私自身も同じで、漠然とした不安でしんどいなぁと感じることもあります。
「なんとなく不安」には理由がはっきりしないことも多く、だからこそ余計にモヤモヤしてしまうのです。
しかし、不安は単なる悪い感情ではなく、私たちの心や身体からの大切なサインでもあります。
どうして不安は生まれるのか?
そもそも、どうして私たちに“不安”は生まれてくるのでしょうか?
感情は誰にでもあるもので、それぞれ私たちに大切なメッセージを伝えてくれています。
「不安なんていらない!」と思うかもしれませんが、不安も私たちに何かを知らせるサインなのです。
例えば「安全ではないことが起こるかもしれない」「何か準備や備えをしたほうが良いかもしれない」「自分の行動や決断を見直す必要がある」
そんなことを不安は私たちに伝えてくれていることがあります。
もしも、締切が迫っている仕事や宿題に手を付けていないのに不安を感じなければ、周りからの信頼が揺らいだり、
単位が取れなかったりといったトラブルにつながってしまいますよね。
このように不安は、私たちの生活がスムーズに回るように働く「アラーム機能」のような役割も持ち合わせているのです。
過去の経験や心のアラームも関係する
ただ、不安は必ずしも目の前の現実だけで起こるわけではありません。
例えば、小さい頃に不安をなだめてもらえなかった経験があると、いつも漠然と不安な状態が続きやすかったり、
強い失敗をしてしまったという経験があると、上手くできなかったらどうしようと似たような場面で強い不安が襲ってきたり。
事故や災害など、心に強い衝撃を受けた経験があると、以前なら気にならなかったことに対しても不安を感じやすくなってしまったり
このように本来であれば安全な場面であったり、問題なく生活できていたとしても、
過去の経験から心が危険と過剰に反応してしまい、些細な出来事にも不安を感じやすくなってしまうということもあります。
不安と上手に向き合ってみる
どうしても考えたくない・・・抑えたい・・そう思うことが多いかと思いますが、
実は不安を無理に抑えようとすると逆に強くなってしまうことがあります。
見るな見るな見るな・・・と言われると見たくなりますよね。それと同じ働きが起きると思うとイメージしやすいかもしれません。
なので、まずは「自分は不安になっているんだな」と抑えず否定せず、受け止めてあげましょう。
その上で、次のような取り組みができると試す前よりも気持ちが楽になるかもしれません。
不安からのメッセージを受け取る
漠然とした不安の場合、すぐに理由が分からないこともあります。
ただ、現実的にやるべきことを知らせてくれている場合は、行動してみると落ち着くことがあります。
例えば、明日の会議の準備がまだなら、少しでも資料を整理するだけで心が軽くなることがあります。
リラックスする
不安が高まると交感神経が活発になり、心拍数が上がり息が荒くなります。
そのため、身体からゆるめることで心も穏やかになります。例えば・・・
・好きな香りを嗅ぐ ・軽いストレッチ ・ぬいぐるみ、タオルなど肌触りの良いものに触れる
・表情がゆるむ動画や画像を見る (動物、推し、お笑い、きれいな景色・・・)
・いつもの呼吸をゆっくり深くしてみる ・穏やかな音楽を聴く ・疲れを感じる体の部分をあたためてみる
不安の声に耳を傾ける
身体のどこに不安を感じるか、形があるとしたらどんな見た目や色で大きさはどのくらいか
そして、その不安からどんな声が聞えてくるか意識を向けてみましょう。
さらに、その不安の声を否定せず、なだめるようにしてみると、感情のコントロールがしやすくなります。
「そりゃしんどかったよね」「そう思うのも無理ないよね」「頑張ってきたよね」
こんな声をかけてみるとどんな感じがするでしょうか。
思いのたけを書き出してみる
頭の中だけで抱え込まず、紙や携帯にありのまま書き出すことで気持ちが整理されます。
カフェインの摂取を控える
コーヒーやエナジードリンク、お茶の過剰摂取は不安を強めることがあります。
意外と見落としがちな原因かもしれませんが、カフェインが好きで沢山飲みがちな人は摂取を控えることで落ち着くことがあります。
おわりに
不安を含め、私たちに沸いてくる感情はどれも決して悪いものではありません。
ただし、あまりにもその感情に圧倒されてしまっていて生活しにくさを感じる場合にはカウンセリングを検討してみるのも一つの方法です。
一人で抱え込まず、誰かと一緒に不安を見つめることで、乗り越えられることはたくさんあります。
不安を「敵」ではなく「メッセージ」として受け止め、少しずつ心を落ち着ける工夫にぜひ一緒に取り組みましょう。